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本当に自由?裁量労働制のメリットと注意点

カテゴリ基礎知識 2018/07/26

ライフスタイルの変化に伴い多様な働き方を求める労働者と、成果を求めながらも残業代の負担を抑えたい企業、両者の思惑が合致する「裁量労働制(さいりょうろうどうせい)」に注目が集まっています。

 

そこでこの記事では裁量労働制に焦点を当て、裁量労働制のメリットとデメリット、残業の扱い方やみなし残業との違いについて解説します。あわせて、裁量労働制を導入した際のオフィスのあり方や残業時のビルの閉館時間、管理会社との交渉などについても解説していきます。

 

裁量労働制の導入を検討中の方や、裁量労働制の運用担当になった方に、この記事がお役に立てば幸いです。

  1. 裁量労働制とは?
  2. 裁量労働制のメリット
  3. 裁量労働制の課題
  4. 従業員のケアも考慮しよう

 

裁量労働制とは?

裁量労働制とは?

裁量労働制の概要

裁量労働制とは、実際に働いた実労働時間とは関係なく、あらかじめ決められた一定の時間を働いたものとみなし、その分の賃金を支払う仕組みです。労働時間の計算は、実労働時間ではなく、みなし労働時間で行います。

通常の雇用形態と違い、裁量労働制は個人に時間管理が任せられているので、勤務時間が決まっておらず、自由に出退勤ができます。「遅刻」「早退」「時間外労働」といった概念そのものがありません。

その代わりに「あらかじめ○時間働いたとする」みなし時間制によって、賃金が支払われます。

 

例えば、1日のみなし労働時間を8時間と定めた場合、所定の時間より2時間短い6時間しか働かなかったとしても8時間働いたとみなされ、2時間分の賃金が減給されることはありません。一方で、所定の時間より2時間長く10時間働いたとしても、実際に働いた時間に関係なく、8時間働いたとみなされます。1日のみなし労働時間を超えて働いたとしても、その分の賃金は支払われず、残業代は出ません。

 

なお、このみなし労働時間も労働基準法の適用内なので、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える場合は36協定を結ぶ必要があります。36(サブロク)協定とは、正式には「時間外・休日労働に関する協定届」のことで、労働基準法36条で規定されているため、一般的に「36協定」と呼ばれており、1日8時間、週40時間を超える労働や、休日労働を課す場合は、届け出が必要であるといった内容です。

また、36協定はあくまでも労働時間の延長に関しての届け出のため、残業代は払わなくてはいけません

 

適用できる業務

裁量労働制すべての業種に適用できるわけではなく、「専門業務型」と「企画業務型」の2種類に限り裁量労働制が認められています

 

専門業務型

「専門業務型裁量労働制」は、業務遂行の手段や時間配分などに関して、労働者の裁量に委ねることで能力や成果を発揮できる職種に適用されています。具体的には、研究開発職や情報処理システムの設計、編集者やデザイナー、弁護士や公認会計士など19種類の業務に限り導入が認められています。

出典:厚生労働省ホームページ『専門業務型裁量労働制』
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/senmon/index.html

 

企画業務型

「企画業務型裁量労働制」は、企業の本社などで企画や立案、調査、分析を行なう労働者を対象としており、事業活動の中枢を担うような業務が対象です。2000年4月に施行され、2004年に導入・運用の条件や手続きが緩和されていますが、企画業務型裁量労働制を導入するハードルは高くなっており、「専門業務型」とは異なり本人の同意が必要になります。

出典:厚生労働省ホームページ『企画業務型裁量労働制』
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/kikaku/index.html

 

みなし残業との違い

みなし残業とは「固定残業制度」とも言われ、会社があらかじめ一定の時間外労働や深夜労働を想定し、その労働に対する割増賃金を毎月固定の金額で支払うものです。給料の中に、あらかじめ一定時間分の割増賃金が含まれている賃金体系のことです。

 

例えば、月給額に「20時間分の時間外労働手当」が含まれている場合は、月の残業時間が20時間以内に収まった場合には残業手当がつきません。20時間を超えた場合に、21時間なら1時間分、30時間なら10時間分の残業手当がつきます。

 

裁量労働制を1日8時間以内に設定した場合は残業代が発生しませんが、みなし労働時間が8時間を超えて設定した場合は、8時間を超えた分の残業代が発生します。例えば、1日10時間のみなし労働時間を設定した場合は、2時間分の残業手当が必要になります。みなし労働時間が8時間を超えている場合は残業手当が必要ですが、残業手当は一律です。

それに対してみなし残業は、実際の時間外労働時間に関係なく、あらかじめ給料の中に一定時間分の割増賃金が含まれています。あらかじめ決められた一定時間内であれば残業代は含まれていますが、一定時間を超えた場合は労働時間に応じて、その超過分の残業手当が必要です。超過分は労働時間に応じて変わってくるので、残業手当は一律にはなりません。

 

フレックスタイム制との違い

フレックスタイム制とは、労働者が日々の出退勤の時間を自分で決めて働くことができる制度のことです。1日の労働時間を、必ず勤務する時間帯(コアタイム)と、決められた時間帯であればいつ出社しても退社してもいい時間帯(フレキシブルタイム)の2つに分け、始業時刻と終業時刻は労働者の決定に任されています。

必ずコアタイムを設ける必要はありませんが、「午前8時から11時の間に出社してください」「午後1時から午後4時まではコアタイムです」というように、多くの企業ではコアタイムを設けています。

 

裁量労働制とフレックスタイム制の違い

裁量労働制は出退勤の時間に縛りがないので、フレックスタイム制と混同しがちですが、両者はまったく別の労働時間制度です。

裁量労働制は実際に働いた実労働時間とは関係なく、あらかじめ決められた一定時間をみなし労働時間として計算します。それに対しフレックスタイム制は、出退勤の時間を労働者に任せるという制度です。必ず出社するコアタイムを設定することが多く、労働時間は実際に働いた実労働時間で計算します。

 

 

裁量労働制のメリット

裁量労働制のメリット

会社側のメリット

前述しているように、1日の実働時間にかかわらず設定した時間分働いたことにするのが裁量労働制の特徴です。そのため、残業代を支払う必要がなく、人件費の削減が可能です。ただし、設定したみなし時間に対しての仕事量が多すぎるとトラブルになりかねないため、仕事量の調節が必須です。

 

労働者側のメリット

働く側のメリットは、出勤・退勤の時間を自由に設定することができる点です。フレックスタイム制のようにコアタイムもなく、完全に自分の都合で働くことができます。詳しくは後述しますが、ビルの閉館時間などとの兼ね合いも大事になってくるため、仕事場の環境を確実に把握しておく必要があります。

 

 

裁量労働制の課題

裁量労働制の課題

実労働時間とみなし時間の差

裁量労働制で最も問題となるのは、みなし労働時間と実労働時間の差が大きくなることです。それまでの労働環境をもとに労働者と使用者の間でみなし労働時間を決めますが、みなし労働時間と実労働時間の差が開いてしまうケースが多々あります。

時間の差が開く問題を解消するためには、現場の状況に応じてみなし労働時間を柔軟に見直す必要があります。

 

労働時間の概念が薄い

裁量労働制は個人に時間管理が任せられており、出退勤の時間が決まっていません。遅刻や早退、時間外労働といった概念そのものもありません。そのため労働時間の概念が薄く、長時間労働になりがちです。

労使間でみなし労働時間を見直すと同時に、労働者側も効率よく短時間で成果を出せるように意識を変える必要があります。

 

管理会社との兼ね合い

裁量労働制により、遅くまで会社に残って仕事をする人も少なくありません。成果を出したい、スキルアップしたい、キャリアを積みたいなど、時間を気にしないで思う存分働きたい人にとって、入居するオフィスビルの閉館時間は非常に重要なポイントです。

裁量労働制を導入する際は、ビルの閉館時間を管理会社へ事前に確認しましょう。

 

 

従業員のケアも考慮しよう

裁量労働制のまとめ

裁量労働制を導入する際には、「自社では裁量労働制を取り入れる必要性があるのか」「労働時間ではなく成果で評価してほしい」と考える従業員の割合はどの程度なのか、自社の状況を的確に把握することが大切です。

また従業員のやりがいを引き出すための評価制度の充実化や、評価を担当する管理者教育の徹底化、現状の実労働時間に沿ったみなし労働時間の設定など、裁量労働制を導入する前には十分に考慮しましょう。

 

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