カテゴリオフィス移転を学ぶ 2018/12/04
近年、オフィスの移転費用を削減する方法として、「居抜きオフィス」が注目されています。内装や什器をそのまま残した状態で退去し、そのままの状態で次の企業が入居するため、原状回復や内装に費やす費用を抑えることができます。
このような新しいスタイルで注目を集めている「居抜きオフィス」ですが、入居時はもちろん、退去時にも考慮すべき点が多く存在します。
そこで今回は、オフィスを居抜きのまま退去する際の注意点や手順などについて、詳しく解説していきます。
まずはじめに、オフィスを居抜きで退去する際の流れについて解説していきます。基本的な流れは普通に退去する際と変わりませんが、居抜きの場合は、新たな借り主が見つかりにくいことも考えられるため、早めの対応が必要です。
まずは、入居してくれる企業を見つける必要があります。通常であれば、原状回復など精算を行い退去するだけなのですが、居抜きで退去する場合には、原状回復費用は次に入居するテナントに引き継がれるため、次の入居者が決まらない状態では退去することができません。
そのため、居抜きの状態でオフィスを退去するには、オーナーの承認を得る前から次の入居者の目星をつけておく必要があるのです。
次の入居者の目星がついたら、次に行うべきことは「オーナーの承認を得る」ことです。
条件が合致し、次の入居テナントが確定したとしても、オーナーの許可が降りなければ不成立となります。実際に、オーナー、貸主、借主の間でトラブルに発展することも少なくなく、居抜きでの契約に後ろ向きなオーナーが多いのも事実です。
しかし、居抜きでの入退去には、空室期間をなくす、入居時の内装費の削減、原状回復の必要がないなど、3者間にメリットが存在します。そのメリットをそれぞれが理解した上で前向きに協力し合えるような関係をつくることがオーナーの承認を得る近道と言えます。
借主がある程度確定し、居抜きでの退去に関してオーナーの承認が得られた場合、次は、決定した借主との詳細な部分の打ち合わせや交渉を行います。
既に設置されている什器にトラブルが起きた際の責任の所存やどちらがどれだけ金額を負担するか、など、起こりうるトラブルを想定した上での話し合いを行います。
責任の所在の他にも、借主が必要とした什器が、契約期間ありのリース形式でのレンタルだった場合、残りの契約期間の確認や、その後の対応などについても確実に話をしておかなければなりません。
オフィスを居抜きで退去するメリットは、「原状回復費用の削減」がもっとも大きいのではないでしょうか。
本来退去時は、入居時の状態に戻すために原状回復費用を支払い、工事を行う必要があります。原状回復工事だけではなく、次のオフィスの内装の工事にも費用がかかるため、合算すると大きな金額になってしまうことも多いのですが、居抜きで退去することができれば、内装をそのままに退去することができるため、原状回復費用を支払う必要がなく、費用を削減できるだけではなく、新しいオフィスの内装やOA機器などに費用を回すことができ、仕事の効率や従業員の満足度アップにもつながります。
また、フリーマーケットのアプリなども発達はしていますが、大きな机などは、処分する際に費用が発生してしまう場合もあります。話し合いの上、次の入居者が机もそのまま使用してくれる場合もあることに加え、そのような場合は処分にかかる費用だけではなく、移転の際に机を運ぶ労力も抑えることができます。
主に費用面でのメリットがある居抜きでの退去ですが、同時に注意すべき点も存在します。退去時に慌てることのないように、大きなポイントを2つ確認してきましょう。
オフィス・事務所移転時の原状回復サポート『居抜き退去でオフィス原状回復費を大幅に削減』より出典・参照
https://原状回復費.com/inukitaikyo/#i-2
近年SNSが流行していることで、SNSを利用して情報を拡散し、入居の呼びかけをすることも増えてきています。
特定の知り合いのみへの発信になってしまうため、はじめはそこまでの拡散力はありませんが、知り合いがさらに拡散をしてくれる場合もあり、居抜きオフィスを求めている企業まで情報が繋がる可能性もあります。
また、居抜き自体が注目されてきてはいますが、まだ居抜きに関して知識のない企業も多いのではないかと思います。
不動産サイトだけではなく、SNSなどさまざまな場所から情報を発信していくことによって、思わぬところからの関係が生まれることも大いに考えられます。
入居者を募るにあたり、不動産サイトへ掲載するのは当たり前のことではあるのですが、掲載するだけではなく、実際にサポートやマッチングなどを行ってくれるため、不動産会社との関係性を強くしておくこともおすすめの方法です。
通常であれば、オーナーと解約の手続きをして終了するところを、居抜きオフィスの場合であれば、限られた期間内に次の入居者を探さなくてはいけません。
オーナーという立場以外の場合、賃貸不動産の利用は「借りる」ことに限定されるため、以外とイメージは湧きませんが、オーナーではなく、居抜きオフィスの場合のように、「次に借りてくれる企業をどうしても探したい」という場合でも、不動産会社は力になれるのです。
また、何度も前述しているように、トラブルに発展しやすい居抜きでの退去を、当事者のみで解決しようとすることは良い方法とは言えません。
たとえSNSなど、不動産会社を通さずに借りてくれる企業が見つかったとしても、賃貸に関する知識や経験が豊富な不動産会社を間に挟んだほうが、話し合いや手続きも円滑に進みます。
居抜きでの退去を検討し、借主が見つかったとしても、オーナーの了承が得られなければ当然居抜き退去は不可能です。そのため、検討の段階で、そのオフィスの原状回復の規約などを確認したり、原状回復工事を行うとしたらどの程度費用が発生するかなどの調査を行った上で居抜きでの退去が可能かを判断できるのは不動産会社以外にありません。
また、居抜き退去時には不動産会社を間に挟むことで、オーナー、貸主、借主の全員が納得する形にまとめることもできるため、まずは不動産会社にご相談いただくことをおすすめします。
居抜きでオフィスを退去しようとするのであれば、スピードが命です。
居抜きでの退去を考え、オーナーの了承を得られたのにもかかわらず、借りてくれる企業が見つからずに原状回復費用を支払い退去することも決して珍しいことではありません。
最大で半年ほどの猶予はありますが、自分たちが次に借りるオフィスのことなどにも着手していくことを考えると、半年は長い期間とは言えません。オーナー、貸主、借主の全員にメリットがある居抜きを上手に活用するために、間違いのない確実な知識をつけた上で、早めに行動することを心がけましょう。
また、オーナーに解約予告を出す前に、まずは居抜きの取り扱いに長けている不動産会社へご相談ください。
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